樹氷で有名な八幡平を走る旅

雪の結晶「八幡平アスピーテライン」は、岩手県と秋田県をまたいで走る樹氷で有名な八幡平の道路です。
アスピーテラインは「雪の回廊」と言われることもあり、これは冬期間は非常に深い積雪があることから除雪をしたあとにはまるで迷路の壁のような雪の壁ができるからです。

雪深い東北の中でも内陸に位置する八幡平は非常に気温が下がりがちで、樹木についた水分が瞬間的に凍りつくことで発生する樹氷という珍しい現象が発生します。

本格的な冬期間には雪の量が多すぎるために通行止めになることもしばしばなのですが、4月中旬になると残る積雪をキレイに除雪することにより「雪の回廊」を走ることができるようになります。

まず「アスピーテ」とは何かというところから説明をすると、これはもともとドイツ語の「Aspite」からきたものでドイツの火山学者シュナイダーによって分類された特殊な火山のことを指しています。

日本語では「楯状火山」と訳されており、武器の盾を伏せたようななだらかな形をしているところからその名前が付けられています。

これは火山活動が起こっていた時に溶岩が流れやすく薄く広がるようになっていったことでできた自然現象で、同じような地形として山形県の月山があります。

このアスピーテ地形はスキー場としても絶好のゲレンデ状態を作り出すものとなっており、アスピリンスノーという他の地域にはない非常に質の良い雪質になります。

GWの東北定番ツーリングコース

積雪量の多い東北地方はツーリングに向いていないように思えるかもしれませんが、この雪の回廊が見られるアスピーテラインは例外的に非常に人気の高いスポットです。

道路は毎年4月20日くらいに冬期間の通行止めが解除されるので、雪の中を切り裂くようにできた道路の上を走行することができるようになります。

積雪量は毎年変化しますが、多い年になると8mを超える雪の壁ができることもありかなりの迫力です。
なおアスピーテラインでは途中に街灯がありませんので5月中旬まで夜間通行止めになるという点に注意してください。

基本的にアスピーテラインは通行できるようになったときには路面はアスファルトが見える状態にしてありますが、それでも冷え込みが厳しい地域であるということには変わりがありませんので出かけるときにはしっかりスノータイヤを装備していきましょう。

雪の回廊は登山ルートを使えば上に上ることもでき、高い壁の上から走行する車を見下ろすということも可能です。
八幡平アスピーテラインと八幡平樹海ラインが全線開通をしたときには全長27kmにもなり、これは雪の回廊が発生する地域の中でも日本最長を誇ります。