九州の雄大な景色を望む温泉地
しかし意外に九州のどこにあるかということは詳しく知られていないようで、九州北東部の大分県のほぼ中央部に位置している由布市の中にあります。
由布市は海沿いの別府市に隣接した場所で、市内には標高1000mを超える由布岳や鶴見岳、城ヶ岳、雨乞岳といった山々がぐるりと取り囲むようにそびえ立っています。
ちなみに「由布院」と「湯布院」という二種類の表記方法がありますが、これは町のこれまでの発展の過程でできたものでどちらも正しい使い方です。
というのももともとは昭和30年の大合併で旧湯平村と旧由布院町が合併してできたことから、両方の名称を折衷させる形で「湯布院」という町名が誕生したのです。
そのため街中を歩いていて「湯布院」「由布院」の2つが併記されているのは、もともと湯平町であった場所は「湯布院」と、もとから由布院町であったところは「由布院」となっているようです。
しかしその後平成17年に再び平成の大合併がこの地域で起こり、その結果さらに庄内町、挟間町、湯布院町の3つが合併したところで「由布市」が誕生しました。
こうした流れがわからない旅行者にとっては、温泉名称は「由布院」、JRの駅名は「ゆふいん」、高速道路のI.C.は「湯布院」と混乱しやすい名称となっています。
バイクツーリングで行く場合は高速道路の大分自動車道を使用することになりますが、その場合は「湯布院」を目指すというふうに覚えておいた方がよいでしょう。
一般道を使うとまた違った景色が見られます
湯布院日田(ひた)往還は、湯布院から別府までをつなぐ県道11号線のことです。
大分県には福岡方面から九州北部を縦断する形で敷かれた高速道路大分自動車道があるのですが、それとは別に周囲の山中を走る一般道も使用されています。
由布市街地から海岸の別府市までをつなぐ県道11号は、由布岳と鶴見岳の麓近くにあり、城島高原パークなどのなだらかな高現地もあります。
由布院も別府もどちらも有名な温泉地なので、九州温泉巡りツアーとしてルートを組むのもおすすめです。
夏場になると一面に草木が山の斜面を埋め尽くし、緑一面の山岳の眺望となります。
高速道路と違って峠道を駆け抜ける由布院日田往還は交通量も少なく、全国の他のツーリングロードと比較しても走りやすい作りとなっているので、初心者でも緊張せずに走行ができます。
この県道11号線は完全に制覇しようとすると全長100kmを超えるかなりの長丁場となるので、スケジュールに応じてうまく大分自動車道を使用しつつルートを組むとよいでしょう。
手早く周りたいという人なら湯布院I.C.から国道210号線で南下をし、JR南由布駅近くから県道11号に乗るのがよい方法です。